保護司みらい研究所 概要

住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5−10−9 更生保護会館内

設立日:令和4年 7月 1日

代表:今福 章二

代表者挨拶

 犯罪をした人の社会復帰や非行少年の立ち直りを、隣人の立場から支え、共に暮らしていける社会を目指した人々の知恵と行動。それは19世紀に多くの国々で始まりました。しかし、20世紀に入ると次第に影を潜めていきます。一方で、そのような流れとは反対に、日本の保護司制度は戦後更生保護の中心的な存在となり今に至っています。

 分断や社会的孤立、自己責任を求める殺伐とした社会的風潮。このような傾向が21世紀の世界で顕著になってきました。では、人々の統合や包摂、誰もが大切にされ、共に安全・安心に暮らせる社会・地域は、どのようにして創っていけばよいでしょうか。

 そのような問いに、私たちは、これまで日本社会の統合や包摂のための求心力となり、人が人を互いに支えあう地域社会を生み出していく原動力ともなってきた保護司制度が手がかりとなるのではないかと考えています。世界の刑事司法の関係者も、犯罪をした人も含めた人々の社会的包摂への問題意識を深めるなか、130年以上の歴史を有する日本の保護司制度に再注目し始めています。

 保護司みらい研究所は、あらためて保護司に焦点を当て、そのみらいを構想してみようと、日本更生保護協会と全国保護司連盟のジョイントプロジェクトとしてスタートしました。多様な分野の専門家の方々の参画を得て、保護司の活動や意識の実相、保護司会や保護司制度の動態、それを支える社会・文化的諸要因、コミュニティや立ち直りに与えるインパクトなどについて多角的に研究を進めていきます。

 研究の成果は可能な限り多様な仕方で発信し、さまざまな種をまいていくと同時に、多方面の方々とつながり、HOGOSHIが世界に羽ばたくことを夢見ています。一人ひとりが大切にされ、安全・安心に生きられる社会を創造する「地域のチカラ」のダイナミズム(力動)を探求していくこの試みに、みなさまの力を是非ともお貸しください。

保護司みらい研究所 代表 今福章二